悲しいうつ病にきちんと向き合う~改善への糸口~

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長期的なケアが必要

カウンセリング

細分化傾向にある精神疾患

精神疾患はストレスを要因とするケースが多いこと、そして気分が落ち込んだり、情緒が不安定になったり、思考力や集中力が低下するといった精神症状に加え、不眠や倦怠感などといった身体症状が発症する場合もあることなどの共通点が多いため、以前はうつ病、あるいはうつ症状として一括りにされる傾向がありました。しかし、精神疾患に関する研究が進み知見が増えたことによって、例えば精神疾患を発症した要因となるストレスの原因が明確で、そのストレスの原因が生じて1か月以内に精神疾患の症状が発症した場合にはうつ病ではなく適応障害と診断されるようになるなど、精神疾患の具体的な病名の診断が細分化されるようになりました。このような精神疾患の病名の診断結果が細分化されるようになってきている要因の一つが、それぞれの疾患に応じて適した治療法が異なることです。例えば発達障害であれば、ストレスの原因が仕事量の多さなど物理的に取り除くことができるものである場合はその原因を取り除いてしっかりと休養を取ることで治癒を計り、対症療法が不要であれば抗うつ剤の服用は行わないケースがあります。しかし、そうした対処で半年たっても症状が改善されない場合は診断がうつ病などに変わり、それに応じて抗うつ剤の定期的な服用など治療法も変わるのです。このように、精神疾患に関する今後の動向としては、どのような治療法が適切かなどといった観点に応じて診断が細分化され、治療法もそれぞれの疾患や症状に応じて違ったものとなる傾向が進展していくと見込まれています。

患者の能動性が非常に重要

しかし、病名が細分化されてもうつ病をはじめとした精神疾患の治療の際に重要な要素となるのが患者自身の能動的な取り組みであることは共通しています。例えばうつ病の治療であれば抗うつ剤の服用が治療の中心の一つとなりますが、抗うつ剤は種類も豊富で、個々の患者に応じて適する抗うつ剤は異なります。また服用頻度や1回あたりの服用量の適量も異なります。しかし、精神疾患の診察は基本的に患者から話を聞く医療面接の形態となりますので、特に初診の際に医師がその患者に適した抗うつ剤を選定することは非現実的と言えます。ですので、初診の際に医師が処方する抗うつ剤は効果を測るためのテスト的な意味合いを持つのです。従ってうつ病の治療をより効果的なものにしていくためには2回目の通院の際に患者が前回処方された抗うつ剤がどの程度効果があったのかに関して、どれだけ詳しく的確に医師に伝えることができるかが重要となるのです。同様に抗うつ剤によってうつ病の症状が改善されていった場合、出来る限り早い段階で抗うつ剤の服用頻度や服用量を減らすことができる方が早期の治癒に繋がります。そして服用頻度や服用量を減らす適切なタイミングを医師が見極めるためには、通院の度に患者の側がどれだけ詳しく的確に症状の改善状況を伝えられるかが大切なのです。このようにうつ病をはじめとする精神疾患は患者の側が症状や状態を把握し、そしてどれだけ詳しく、そして的確に医師に伝えられるかが治癒に向けて大きな影響を及ぼしますので、患者の能動性が非常に重要となるのです。